紅とは

紅花から抽出される
特別な⾚-紅

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「紅」とは紅花から抽出される⾚⾊⾊素のこと。紅の原材料である紅花の原産地は中近東・エジプトといわれ、シルクロードを渡って中国に伝来し、⽇本には紅の抽出⽅法も含めて3世紀中頃に伝わったと考えられています。
紅花の花びらに含まれる⾚⾊⾊素はわずか1%。紅の抽出には⼿間がかかり、染料とするには⾼度な技術と知識を要します。平安時代には紅花を染め重ねた「韓紅(からくれない)」や、下染めののち濃い紅⾊を掛け合わせた「朱華(はねず)」は⾼位者しか⾝にまとえない特別な⾊でした。
また、いにしえより、⽇本において⾚⾊は、太陽や炎、⾎の⾊を連想させることから、⽣命を象徴する⾊とされ、祭祀的な意味をもって使われてきました。なかでも紅の⾚は、⾎の巡りを良くする作⽤があると信じられ、体を病気から守る⼀種の薬とみなされてきたこともあり、染料をはじめ、化粧料や⾷⽤の着⾊料として、出産、雛祭り、七五三、婚礼、還暦など、⼈⽣の節⽬に彩りを添えてきました。

玉虫色の輝きは
良質な紅の証

化粧料としての紅には、乾いた状態で玉虫色に輝くものがあります。この輝きは良質な紅の証といわれ、その製法は各紅屋で門外不出の秘伝とされていました。江戸時代にはこの玉虫色の紅を唇にのせて緑色に輝かせる「笹紅」という化粧が流行するなど、当時の女性を魅了しました。しかしこの玉虫色、現代の科学でもその原理は解明しきれていません。謎多き存在の紅、それもまた魅力のひとつです。

憧れの⽟⾍⾊-笹紅化粧