3/17(土)に開催した「紅・白粉・墨を使った江戸の化粧を再現」デモンストレーションのリポートです。当日は強風にも関わらず、午前の部18名、午後の部16名の方にご参加いただきました。
まず、はじめに「江戸の化粧美」の企画展示をスタッフが解説しながらご案内。展示をじっくりご覧になる方、質問される方などが多くいらっしゃいました。
デモンストレーションでは、弊社で長年、紅とメイクの研究をしてきたメイクアップアーテ ィストがタッチアップを、ミュージアムの学芸員が解説をしました。モデルさんは、日本髪愛好会主宰の方で、ご自信の髪で日本髪を結っていらっしゃいます。日本髪はもちろんですが、江戸や化粧、着物の知識も豊富でミュージアムスタッフが頼りにしている、大切なブレーンの方です。
再現メイクのテキストにしたのは「都風俗化粧伝」や「容顔美艶考」など江戸時代の美容関連書物です。そして、髪型と化粧を、香蝶楼国貞「当世美人合踊師匠」の浮世絵をもとに再現しました。
白粉を塗る→眉を描く→目弾きを入れる→口紅を点す順でメイクを仕上げていくのですが、目弾きと口紅を点した途端、華やかさ、女性らしさが生まれます。参加者のみなさんもその変化にハッとされていました。今回デモンストレーションを行ったのは明るい照明の下ですが、当時の照明というのは行灯・蝋燭の明かりが主です。より当時の環境に近い状態でご覧いただくために、完成後、モデルさんに資料室に移動していただきご覧いただきました。
透明感があり、有田焼のような美しい白さに皆さん、驚かれていました。和化粧というと歌舞伎役者さんのように厚塗りの、真っ白な化粧を想像される方が多いと思うのですが、江戸時代の化粧は、非常に薄かったのです。(濃い化粧が流行った時期もありましたが、長い江戸時代を通してみると一時的なものでした)参加者の方からは「透明感のある白粉化粧は、すごく美しい」、「実演を見ると、より一層理解が深まる」等の声をいただきました。当日参加いただいた皆様、ありがとうございました。スタッフ一同、心より感謝申し上げます。「江戸の化粧」再現デモンストレーションは、今後シリーズ化していく予定ですので、どうぞご期待ください。多くのお客様のご来場をお待ち申し上げております。