企画展「華雅やきの赤絵細描 – 九谷赤絵の妙技」の
特別講座として、11月13日(土)に「赤絵細描・講演会」を、
翌14日(土)に「絵付体験」講座を開催いたしました。
13日の講演会では、講師に福島武山先生をお招きし
先生と赤絵細描の出会い、赤絵の魅力、
お弟子さんについてなど、1時間半ほどお話いただきました。
先生は、ご家族の反対を押し切り
24歳でサラリーマンから絵付師に転向。
一度途絶えていた赤絵細描を独学で学び
現在に至る過程には
ご苦労と共に、さまざまな方のサポートがあったようです。
途中行われたデモンストレーションでは
参加者の皆様からため息が出るほど
細く優美なラインを目の前で描いてくださいました。
参加者の方々から描き方、絵具についてなど
次々と質問が出ると
先生は、時に手を止め、時に実演しながら
一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
九谷焼をはじめとする伝統工芸は、現在厳しい状況にあります。
その中でも、後世に伝統の技を残してゆくために
福島先生はさまざまな活動をおこなわれているとのこと。
後継者育成にご尽力されていることはもちろんのこと
地元石川県の小学校では
将来の伝統工芸サポーターを育成すべく
さまざまな伝統工芸品に触れ、身近に感じ
良さを実感してもらう機会を作り出しているそうです。
先生の九谷焼に対する想い、お人柄、
そして卓越した技に触れることのできた
和やかな講演会となりました。
翌14日には、福島武山先生自らご指導いただく
「絵付体験」を開催。
絵付をされたことのある方から全くの初心者の方まで
9名が参加されました。
最初は苦心されている方もいらっしゃいましたが
先生の的確なアドバイスで、徐々に調子をつかまれ
3時間という長い時間ではありましたが
皆様集中して、見事な作品に仕上げられました。
参加者の皆様は、一様に「難しかったけれども楽しかった」と
充実した時間をお過ごしいただけたようでした。
企画展「華雅やきの赤絵細描 – 九谷赤絵の妙技」は
12月12日(日)まで開催しております。
赤絵細描が興った江戸後期から現代に至るまでの優品を
一同にご覧いただける貴重な機会です。
1ミリの間に3本もの線を描くことができるという福島武山先生が
絵付けをしている動画もご覧いただけますので
この機会にぜひ足をお運び下さい。