作品展示会「みかわち焼 ~匠の技の継承~」の併催企画として、みかわち焼「染付」体験講座を5/17(土)に開催しました。嘉久正窯・里見寿隆さんに長崎県よりお越しいただき、30代から70代までの幅広い年代の方にご参加いただきました。
みかわち焼の「染付」は、細く緻密な線描きと、淡い青の濃み(だみ)を特徴とします。素焼きに呉須(ごす)を染め付けていく「染付」は修正が難しく、なめらかで細い線を絵付けするには熟練の技を必要とします。
里見先生よりコツを教えていただきながら、線描きと濃みを体験しました。参加者の皆様は、初めは一本一本の線をゆっくり絵付けし、だんだんと慣れてきたように見受けられました。先生が用意された同じ牡丹唐草でも、絵付けするとそれぞれの方の個性が出て、味わい深い作品が出来ました。ご自身の絵柄に挑戦される方にも、一人一人に合わせたアドバイスをされ、力作ぞろいとなりました。後日、釉薬をかけて焼成した完成品をお届けします。
紅ミュージアムに初めて来館された方も多く、「小町紅」と「みかわち焼」を知っていただく良い機会となりました。みかわち焼の紅器や作品をご覧いただき、実際に体験することで、繊細な器の魅力を感じていただけたのではと思います。
紅ミュージアムのサロンスペースでは、6/1(日)まで「みかわち焼」4名の作品を展示販売しています。嘉久正窯・里見寿隆さんの江戸時代の復刻品の白磁や、代々伝わる絵柄の染付には、時代を超えた普遍的な美しさを感じます。5/31(土)には、平戸洸祥団右ヱ門窯・中里太陽さんによる「置き上げ」体験講座も予定しています。4名の繊細な器は、「美は細部に宿る」という言葉を思い起こさせてくれます。ぜひ間近でご覧ください。