2月6日(土)に、「江戸の化粧再現講座」~白粉化粧・比較編~を開催しました。
今回の「江戸の化粧再現講座」では、白粉化粧の「比較編」ということで、未婚女性と既婚女性の化粧の違いをご紹介しました。
こちらは、講座でお馴染みの未婚女性の白粉化粧。
顔全体に指で白粉を塗った後、軽く水に浸した刷毛で数回、丁寧に刷きます。画像はその後、半紙を顔にあてて、その上から再度、水に浸した刷毛で数回、刷いているところです。そうすると、半紙に白粉が移り、透明感のある、きれいな肌ができあがります。
一方、こちらは既婚女性の白粉化粧。
目の際に、紅が丸く塗られていますが、これには、くすみ防止やコントロールカラーとしての役割があります。くすみがある、潤いがない等は、今も昔も、歳をとるにつれて女性が持つ普遍的な悩みなんですね。
その後、白粉を塗りますが、塗った後に少し時間をおきます。というのも、若い娘さんと違い、毛穴の開きやシワなどがありますので、それをカバーするために白粉をなじませる必要があるからです。
未婚女性の白粉化粧では、半紙を使いましたが、既婚女性では、かたく絞った熱い手拭いで、白粉を拭い取ります。せっかく塗ったのにそんなに取ってしまうの!?と驚いてしまいますが、これが江戸時代のお化粧だったのです。つまり、未婚女性と既婚女性では、仕上がりの肌の白さがだいぶ違います。
未婚女性のモデルと並ぶと、違いがよく分かりますね。
顔と首の白粉の濃さが、未婚女性より既婚女性の方が、差が大きいのがお分かりになりますか?
江戸時代の化粧は、女性の通過儀礼に密接に関わっていました。結婚するとお歯黒をし、出産を機に眉を剃り落としました。つまり、既婚女性のモデルは、きちんと眉を剃り落とし、お歯黒をしました!
モデルがにっと歯を見せた瞬間、会場からは「おー!」という声が。
お歯黒をして眉を剃り落とした既婚女性のお化粧は、言葉だけで聞くと異様な気がしてしまいますが、実際に見てみると、そうは感じないから不思議です。
参加されたお客様の感想でも、「既婚女性のお化粧が妖艶だった」というのが多くありました。この後、参加者の方からのご提案で、江戸時代の明るさに近づけてみようと、会場の照明を少し落としました。すると、その妖艶さが際立つように感じました。
次回の「江戸の化粧再現講座」は、「美顔マッサージと白粉化粧」というテーマで、4月に開催予定です。
既に受付を開始しておりますので、ご希望の方は、紅ミュージアムまでお電話でお申込みください。
伊勢半本店 紅ミュージアム TEL 03-5467-3735
「江戸の化粧再現講座」~美顔マッサージと白粉化粧~
日時:2016年4月23日(土) 14:00~15:00
定員:30名(先着順)
参加費:500円(紅染めの和菓子付き)