7月18日(火)、中野区立緑野小学校に行ってきました。
「NPO法人感性の教室」の図工の授業のお手伝いです。
小学5年生80名の児童に、「紅と紅の文化を学び、紅花を描いてみよう」と題して紅の魅力をお伝えしてきました。
まずは紅ミュージアムのエデュケーターから「紅」とは何かを説明し、続いて紅餅や乱花(紅花の花びらを乾燥させたもの)、小町紅を間近で見てもらいました。
玉虫色の紅猪口を不思議そうに、でも興味津々にいろいろな角度から覗き込んでいます。
普段ミュージアムで開催する子ども講座は女の子の参加が多いので、多くの男の子が興味を持って紅猪口を観察してくれたのがとても印象的でした。
次に感性の教室・加藤先生より浮世絵の歴史と紅とのつながりについて説明がありました。
作品制作の前に、ひとり1輪の最上紅花が手渡され、じっくりと観察して鉛筆でスケッチします。
棘のある様子など特徴を掴んだところで筆を持って本番へ。
今回は「紅という本物を扱うからこそ、その他の材料も本物に触れて欲しい」との加藤先生のご配慮で、描く紙は楮100%の手漉き和紙です。
ここに墨で輪郭を描き、花の部分には紅花から抽出した黄色色素と赤色色素両方を使って彩色していきます。
最後は墨絵らしく紅で落款を書いて仕上げました。
皆さん大人顔負けの出来です!作品はマット装をして校内に展示されました。
今回は私たちも初めての「紅花の赤と黄色を使って紅花の絵を描く」という試みでしたが、優しい発色をうまく生かしたステキな作品の数々を見て、改めて紅花の魅力に触れることができました。
本物が持つ力は、やはり見事です。
紅と紅花へのご理解と開催にあたりご尽力いただき素晴らしい授業に仕上げてくださった感性の教室の皆様、そして緑野小学校の皆様、図工担当・佐藤先生には、このような紅を知っていただく貴重な機会を頂戴いたしましたことを、心より御礼申し上げます。
また、この日のためにたくさんの見事な最上紅花をご用意いただいた山形県の今野様にも心より感謝申し上げます。
これからも、館内の講座だけでなく時には館を飛び出して、多くの皆様に紅花と紅、そして日本文化の魅力を伝えられるよう活動していきたいと思います。
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