だいぶ遅い報告になってしまいましたが、8月9日(水)に夏休みこども自由研究「赤色?黄色?? 紅染めにチャレンジ!」を開催しました。
当館のテーマである「紅」は、紅花からとれるたった1%の赤色色素のことをいいますが、その使い道は実にさまざま。
化粧品(口紅)としてはもちろんのこと、食紅や絵具としても使われます。
そして、今回のワークショップのテーマでもある、糸や布を染めるための「染料」としての使い道もあります。
今回は「赤色?黄色?? 紅染めにチャレンジ!」と題し、ハンカチや和紙を染めるワークショップを開催しました。
まずは、白いハンカチに参加者それぞれが好きな模様をつけていきます。
輪ゴムやビー玉を使い、それらを結んだりしばったりして、「どんな模様になるかな?」と想像しながら絞りの模様をつけていくのは楽しい作業。
その後、染液を作ります。
ネットに入れた紅花の花びら(乱花といいます)を水の中に入れ、よく揉みます。
そうすると、水溶性の黄色色素がどんどん溶け出し、あっという間に水は黄色になります。
黄色色素が溶け出したこの黄水。
紅作りには不要なものですが、せっかくなので今回は捨てず、和紙を染めてみました。
どのような風合いになるかは、あとのお楽しみです。
染液作りに戻ります。
空のボールにアルカリ性の溶液(今回は炭酸カリウム水を使用)を入れ、その中で再度乱花を揉みます。
すると、溶け出してくる色は、さっきとは違いオレンジ色がかった色。
その後、クエン酸の粉末を入れると、シュワシュワと発泡し、色鮮やかな赤色になります。
これで染液の出来上がりです!
水に浸しておいたハンカチを絞って水をきり、染液に浸け、液がよく行き渡るよう揉みこみます。
さらに工夫したい場合は、染め上がりの濃淡をつけるために、一部の輪ゴムやビー玉を外し、二度染めをしました。
そして、いよいよ全ての輪ゴム・ビー玉を外します。
広げてみると「あれ?思ったほど紅色(ピンク色)じゃないなぁ」と感じた参加者もいたはず。
そうなんです。この時点では、まだ黄色色素も残っているのでピンク色には見えないんです。
参加者の皆さんに、ここで復習クイズ。
「黄色色素はどうすれば落とせますか?」と質問したところ、最初の作業を皆さん覚えていて、「水で洗うんだ!」と答えてくれました。
水で洗うと、黄色色素が落ち、かわいいピンク色になりました!
黄色色素を染めつけた和紙も乾かして完成。
最後に、和紙を背景に集合写真。
絞り模様のつけ方によって雰囲気ががらっと違い、そこがまた魅力的です。
今回、ミュージアム主催としては初めての紅染め講座でしたが、紅花の花びらを使って染液を作るところから始め、完成したハンカチや和紙を手にし、皆さん、とても満足したご様子でした。
紅の使い道を体験する講座のひとつとして、来期以降も開催したいと思いますので、ご興味ある方はぜひご参加ください!
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