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1月25日「江戸の化粧再現講座」~半元服のお化粧~を開催しました

紅ミュージアムの定期講座である「江戸の化粧再現講座」を開催しました。
 
リニューアル後、初開催のテーマは「半元服のお化粧」
結婚し、お歯黒を始めたばかりの女性の化粧を再現しました。
 

 
講座では、江戸時代の美容本『容顔美艶考』などを参考に、モデルに当時のお化粧を施していきます。
学芸員の解説つきなので、その時その時、どのような動作をしているのか、どういう効果があるのか、などがよく分かります。
 

 
江戸時代の白粉化粧と聞くと、素肌が全く感じられない白塗りの状態を想像する方も多いかもしれませんが、実は白粉化粧は引き算のお化粧。
実演の中でも、半紙や、濡らしてかたくしぼった手拭いなどを使い、余分な白粉を落とす作業が多く見られます。
 

 

 
は、口紅や目弾き(アイメイク)はもちろんのこと、眉墨の下地としても使います。
 

 
これで基本の娘化粧が終了です。
この後、「半元服」のお化粧となるよう、準備のためモデルは一度退席します。
 

 
その間に、スライドや実際の資料を用い、お歯黒について学芸員が解説しました。
お歯黒道具の使い方の説明、お歯黒の様子を描いた浮世絵や詠まれた川柳の紹介などがありました。
当時の若い女性の心情を詠んだ川柳を聞くと、江戸時代の人々がぐっと身近に感じられるから面白いです。
 

 
解説終了後、モデルが再登場しました。
そして、口を開くと…お歯黒をしている様子が見て取れます。
受講者の皆さんからどよめきが起きましたが、ここで、行灯などの仄暗い灯りしかなかった江戸時代の屋内を再現するために、照明をぐっと落としました。
すると、お歯黒の印象も、異様なものから妖艶なものへ変化した気がします。
そのものだけを切り取るのではなく、時代背景や生活様式などもあわせて知ることができると、より深い理解に繋がるかもしれません。
 
*近代に入ると、来日した外国人にお歯黒や眉を剃り落とす化粧文化が否定されます。
どのような評され方をしたかは、ぜひミュージアムの展示でご覧になってください。
 
 
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