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講座「銀象嵌体験 ブローチ/ストラップ作り」を開催しました

講座「銀象嵌体験 ブローチ/ストラップ作り」を開催しました


中島ゆり恵「未来の匠-きらめく彫金-」の併催講座として、「銀象嵌体験 ブローチ/ストラップ作り」を開催しました。
初心者の方も、気軽に象嵌を体験できる講座ということで、一日3回の実施ながら、お申し込みはすぐに定員に達してしまいました。
 
講師は、金工作家の中島ゆり恵さんです。
はじめに、象嵌という言葉の意味や、参加者の皆さんが体験する工程を説明してくださいました。
象嵌は工程が長く、とても時間のかかる技法です。
一時間という限られた時間内で体験できるよう、あらかじめ溝を彫り、嵌め込む金属が引っ掛かるよう“アリ立て”を施したベースをご準備くださいました。
 

 
今回制作するものは、桜型のブローチまたはストラップです。
参加者の皆さんは、象嵌初体験の方ばかりでした。
道具も、見慣れないものが多く、皆さん興味津々。
はじめに道具の使い方を教えてもらいました。
上の写真は「おたふく槌」。
手首のスナップを効かせて振りますので、握り込まないように軽く持つのがポイントです。
 
 
ここから、いよいよ体験が始まります。
まずは、桜の線状の「しべ」の部分の「線象嵌」からスタートです。
溝にあわせた銀線を、鏨(たがね)で上から押さえて、おたふく槌で叩きます。
 

 
皆さん、どのくらいの力で叩いていいか、最初は探り探りでしたが、中島先生に見本を見せてもらいながら、作業を進めるにつれ、槌で叩く音にも自信が感じられるようになってきました。
しべは全部で10本。
全てを終える頃には、皆さん、だいぶコツをつかんだようでした。
 

 
次に、しべの先端10ヶ所と、桜の中心の丸い部分に「点象嵌」をしていきます。
必要以上に叩きすぎたりすると、嵌め込む銀線が締まって硬くなり、銀線が溝から外れてしまうこともあり、皆さん、苦戦しながらも頑張って作業を進めていきました。
 

 
銀線を嵌め込む作業が終わったら、続いては磨き作業です。
やすりがけをした後、耐水ペーパーで番手を上げて研磨します。
 

 
今回、講座で体験するのは磨き作業までで、その後、中島先生が工房に持ち帰り、着色をして仕上げてくれます。
真鍮にしか反応しない液体に入れて煮込み、化学反応で色を変化させて、着色するそうです。
ピカピカに磨かないと色がつかないので、この研磨作業が頑張りどころです。
 

 
最後に、ブローチかストラップ、どちらに仕上げるかを決め、講座は終了しました。
その後、参加者の皆さんは展覧会会場に移動し、中島先生の作品を鑑賞しました。
講座で、その一端を体験した象嵌の技術が随所に用いられている、繊細で華やかな作品を見て、皆さん、感嘆の声を上げていらっしゃいました。
 

 
後日、中島先生から完成した作品が届きました!
実は、裏には参加者の方の名前やイニシャル、好きな言葉などが彫られています。
オリジナルの象嵌作品、ぜひ大切にしていただきたいです。