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【予告】テーマ展示「牛に願いを~信仰と寒中丑紅~」(1/7~)



  
テーマ展示「牛に願いを~信仰と寒中丑紅~」
 
江戸時代に流行した信仰のひとつに、「撫牛」があります。撫牛とは、臥した牛の像のことです。これを撫でると病が癒えたり、願いが叶ったり、さらには家業繫栄や財運向上など開運の利益があるとされ、この俗信は江戸時代中期以降、各地へ広がっていきます。撫牛には寺社の境内に祀られた大型の石像もあれば、家内で祀るための小型の置物もあり、とくに後者は寺社での頒布や土産を目的に製作され、縁起物として普及しました。また、小型の撫牛を小蒲団に乗せて安置し、吉事が訪れるごとに小蒲団を重ね敷くという信心の作法も浸透していきます。こうした撫牛の流行を商戦活動に巧みに利用したと考えられる一例が、紅屋の「寒中丑紅」です。
寒中丑紅とは、寒の時期(小寒から大寒までの約30日間)に製造し、かつ暦上の「丑」の日に販売された紅の俗称です。江戸の紅屋では丑の日にちなみ、紅の購入を条件に臥牛をかたどった土人形を景物(おまけ)として進呈しました。当時の販売促進策として景物の配付は珍しくありませんが、開運の縁起物と親しまれていた撫牛に通ずるアイテムを配付するという紅屋の戦略は見事に当たります。また当時は、撫牛信仰とは別に、「瘡(くさ)除け」の意味でも牛をかたどった人形は信心の対象になっていました。牛が草を食べることから、草=瘡(くさ・腫れ物)を退ける、治癒すると信じられており、紅もまた、疱瘡や麻疹、口腔内の腫れ物などの薬として利用されていた実態がありました。
今展では信仰を背景とした「牛」「紅」の結びつきに着目し、関連の資料をご紹介します。
※常設展示室内の一部で行うミニ展示です。
 


 
会  期:2025年1月7日(火)~ 3月1日(土)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日:毎週日・月曜日
観 覧 料:無料